──そこは、地球のロマンに魅せられた人々の情熱が溢れる場所だった。
この世には「石のコミケ」があることをご存じだろうか。鉱物・宝石・化石などが好きな方々には有名なイベントで、業者も軒並み参加する『石の祭典』だ。
一般的に「ミネラルショー」と呼ばれている。
私はそこに、短い間に三回足を踏み入れた。
私という人間は、もともと石──鉱物や宝石に対してそれほど興味もなければ知識もない人間だ。
パワーストーンもゲームか何かで出てきたぐらいしか知らないし。その魅力より値段に畏縮してしまい、そそくさと足早に立ち去る系の人種だし。
「ミネラルショー」もわからなかった。
「ミネラルショー？ウォーター？が集まるところ？？」
首をかしげたぐらいなのだ。
そんな私が「どうしてミネラルショーなんだよ」と言われたら、なが～～～い事情があるのだが……
端的に言えば「そういう流れになったから、売り手で一回・買い手で一回お勉強に行った」と捕えてくれたらいい。
しかしそこで私は、「鉱物・宝石」──いや「大地が育みし浪漫の塊」に魅せられた人々の熱を見た。
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