2023年、推しの子がアニメになった。
OPの「アイドル」はネットを中心に(主に究極のゲッターが)爆発的に流行り、紅白や年末の特番で歌われた。
その歌詞には黒くえぐいところもあるのだが、それらを「芸能人やアイドルたち」が歌うのを聞いて、見て、私が感じたことは『──ああ、この歌詞に心を打たれない芸能人は居ないんだろうな』ってことだ。
主語が大きくて申し訳ないし、全ては推測だが、「芸能界」という場所に飛び込んだ人たちはみんな、誰しも人一倍野心を持っているのだと思う。
普通の一般人でも「注目されたい・ちやほやされたい・好かれたい」とyoutubeやインスタグラム・Twitter(xなどとは呼ばない)で自己発信していくのだから、それは極めて普通の欲求なのだ。
そして『芸能人』ともなると、光の欲求が大きい分、シビアに黒い欲求と付き合わなけばならないのだろう。
「はいはいあの子は特別です」
「我々はハナからおまけです」
「お星さまの引き立て役Bです」
「「すべてはあの子のおかげです」なんてわけない!しゃらくさい妬ましい、悔しいムカつく!!」
「あいつより私(俺)のほうがいけるのに!!!」
と苦汁をなめながらも
無敵の笑顔でメディアを荒らし、嘘や方便をフル活用で人気を博し、「一番星になる」を夢見ないヒトなどいない芸能人の「言えないところ」を見事に表現した歌なのではないだろうか。
皮肉・嫉妬・いらだち・ムカつき。
それでも諦めきれない夢と野心を歌に乗せて踊る彼らから、人一倍のパワーを感じた。「入っている気持ち」が違うように感じたのである。
「誰もが目を奪われていく 究極の存在になりたい」
「それに向かってやってきたから今があるんだ」
「悔しいことだって山のようにあったけど!」
──いま、ここに立ってる!
そんな、力強い信念のようなものを強く感じた。
あの歌は本当に「化け物のような歌」なのだと思っている。
コメント